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magslmagsl 2007/08/13

[コラム] Web1.0的セカンドライフ

セカンドライフは、Web2.0的だと言う意見がある。
Web2.0という、定義も曖昧な言葉を、まるで魔法の言葉であるかのごとく、ありがたがっている風潮により、なんだかわからないけど先進的なものは、なんでもWeb2.0と言っておけばいいような解釈で使われているのを目にする。
ただでさえ、とらえどころのないセカンドライフを、またもやよくわからない言葉で喩えてしまうのだから、分かるモノも分からなくなる。

ここは、一度、状況を整理してシンプルに枠にはめて考えてみよう。
多くの人がわかっていると思われるWeb1.0。すなわち、現在までにあったWebの形で。

ネットが一般的に普及するようになって、一部の敏感な人々だけではなく、それほどの代償を払わないでも使えるようになった時代。
通常は、プロバイダなどの会社からウェブスペース。サーバーの領域を借りていた。
借りようという能動的な行為でなくとも、ネット接続料のオマケでウェブスペースを借りていただろう。
セカンドライフでは、サーバーがSIMとなり、区画区分され、レンタルされたり購入されたりしている。
ウェブスペースを借りたものは、そこにサイトなどを構築し、コンテンツを作っていた。
『○○のホームページ』などとタイトルが付けられた、そういった旨のコンテンツは、確かに現在から考えると稚拙なものかもしれないが、世界に発信されるという可能性を持っていた。
セカンドライフでも、土地を借りたり、購入したりしたものは、そこにコンテンツを作る。
それは、『ホームページ』という言葉を体現したような自分の家であったり、集会所であったり、また、外部からの集客を目的としたサービスコンテンツかもしれない。

また、そう考えれば、すべての人がコンテンツの発信者になる必要はないことがわかる。
閲覧、掲示板に言葉を添えるだけの利用をしていたものも多いのだから。

回線速度や動作環境などの問題により、テキスト主体だった、ウェブコンテンツは、絵や写真などを主体としたイメージ的なものになり、動画などを配信するまでに至った。
当時、ネット利用者の絶対数もあり、個人サイトでは一日当たり100ページビューもあれば、人気サイト。1000もあれば、ほとんどの利用者が知っているほどの規模だった。

セカンドライフは、まだ黎明期のメディアであり、同時接続人数も限られているため、コンテンツの人気も程度が知れている。
ただ、そういった時代のネットの状況を思い出してもらえば、それが終焉ではなく始まりでしかないということがわかる。

こうして考えると、セカンドライフにおいて人気のない土地、すなわち、ウェブスペースにとって魅力のないサイトというのも似たように考えられる。
自己紹介しかしていないサイトは、友人しか訪れなかっただろうし、どんなに豪華に作りこまれたコンテンツでも、更新されないものは、見たことはあるけど、毎日見るようなものではない。という状態だ。
確かにセカンドライフが抱えるデータ量は、テキストなどの比ではなく、簡単に更新を続けるということはできないだろうが、それでも、作りっぱなしで「人が来ない」と嘆くのは早すぎる。
企業などのコンテンツも同様で、会社紹介だけされても、頻繁にそこを訪れるのはよっぽどその会社をひいきにしている人間か、社員くらいだろう。

こう考えると、セカンドライフは未知のメディアではない。
今まで培ってきたノウハウが十分に使える土壌であることもわかる。

コンテンツを魅力的にすることや、更新することは簡単ではないかもしれない。
しかし、現在のネットの状況を見るに、もっとも魅力的なコンテンツが何かは、わかっているはずだ。
SNSやブログなどの繁栄を見るに、やはり最も魅力的なコンテンツは人間なのだ。
オブジェクトが、毎回新しくならなくてもいい、新商品を毎回出さなくてもいい、ただ魅力的な人間がいさえすれば、そこに人は集まる。
人間は『更新』などということを意図しないでも、常に新しい言葉を出し続ける。そして、その人の思想や背景がそこから見て取れるというのが、他の者にとって、新鮮な感覚であることは周知のとおりである。
人間的な魅力というものを出せない事情ならば、オブジェクトや商品などで、魅力を出せばいいだけの話だ。

セカンドライフは難しい未知のメディアではない。ただ、現状はまだ黎明期なだけだ。
ウェブというものは、3D仮想世界と形を変えて現れた。
ブラウザはセカンドライフという形をとった。
そこにあるのは、初めてネットが面白いと思った時の可能性のあり方だ。

かつてWebは便所の落書きと揶揄された。
しかし、今では生活に欠かせないとまで思われるほどになっている。

仮想世界が、どのように進化するのか、その中で何をしていくか、それは暗中模索ではない。
幽かだが、確実に光が差している。

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