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magslmagsl 2007/01/26

セカンドライフに住む理由

セカンドライフは、ユーザーが作り、そしてユーザーが広げる仮想現実である。
オフィシャルであるリンデンラボから購入するものは二種類しかない。貨幣と土地である。
今回は、その土地に目を向けてみようと思う。

はじめに言ってしまうならば、仮想現実の世界で土地を持つ必要性などまったくない。
現実では、住む場所と言うのは必ず必要だろう。
住む以外にも、商売をする場合、農工業などを営む場合にも、必ず場所が必要だ。
電話やメールは個人が持ち歩けるようになったが、いまだに荷物は住所に届く。
役所などに行けば、嫌と言うほど住所を記入されるという思いをした人も多いだろう。
これは住が、その人間のアイデンティティという側面も持っていることを示しているように思える。
とりわけ、人間は土地に対してある種の秩序を持ち、場所の所有に関して、法や思想などを持っている。
ホームレスというのは、その秩序の外にある存在で、特殊なものとして区別される。
現実では、当たり前のように私たちは場所を所有している。
しかし、仮想空間には、必要なものではない。

もちろん、存在する場所は、どこかには必要だけれども、自分で所有する必要はない。
なぜなら、仮想空間では、寝る必要も、休む必要も、一つの場所にとどまる必要も何もないのだ。メッセージも荷物も個人に向けて届けることができる。
やめたくなったらログアウトすればいい。そして、再びログインした時、その場所に突如現れる。自身のキャラクターであるアバターは、その場所にとどまって存在続けているわけではない。
言ってみれば、ホームレスである存在こそが当たり前の状態なのだ。
それならば、なぜ人々はセカンドライフの中で土地を持ちたがるのだろうか?

土地にはさまざまな恩恵がある。
自分の思うようにカスタマイズできるし、家も建てられる。音楽や映像をストリーミングすることもできる。 それは、セカンドライフの一つの楽しみ方であり、それをするために土地を手に入れるものもいるだろう。
また、自分の商売のために土地を借りる人もいるだろう。

だが、それ以外に考えられることは、セカンドライフは仮想現実であるということである。
ただのネット上の世界ではない。仮想の現実なのだ。

当然、人々は、現実の写し身としての存在を当たり前に考える。
現実で、自分の思った通りの理想的な家を所有することはとても大変なことだ。それをかなえている人間は一握りだろう。
しかし、仮想現実、セカンドライフの世界では、ほんの少しの資本で自由に自分の家を持つことができる。
人はステータスを得ることを望む。これは自然な欲求である。
お金を手に入れたい、人々から羨まれたい。そういったものを現実よりも手軽な手段で手に入れられるというのは仮想現実の魅力の一つであることは間違いない。
ステータスとして家を手に入れる。それは、わかりやすい形でのステータスの獲得になるのではないだろうか。

もちろん、仮想世界は仮想世界で新たな秩序などを構築していく。
セカンドライフの中でのステータスを求める人間もこれからは増えていくだろう。
例えば、ある限られた人間だけが入れるグループに入る。
デザインや職業などで名声を手に入れる。
それ以外にも、現実世界では考えられないような形でのステータスのあり方も現れてくるかもしれない。
だが、やはり私たちは慣れ親しんだ世界から完全に脱却することはできない。
現実で望むもの、手に入れたいもの、そういったわかりやすい形での提示をまず手に入れるという行動が、仮想現実の中に家を持つという行動に現れるのではないか。

日本には昔から居住まいを表すのにこういう言葉がある。
「立って半畳、寝て一畳」
しかし、セカンドライフの中では無限大である。

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