「でも、気をつけなくちゃいけないおかしな人は結構いるんだよ」ラブは、タバコの紫煙を吐きながら言った。
「まだ変な人にしかあってないんですけど」ロキはオブジェクト製作の手を休めて話をしている。
「そいつは、ついてるな。連チャンで確変で花弁大回転だ」
ラブが、身振り手振りで表現するが、ロキは何のことかわからず、全く同意は出来なかった。
「でも、今までであった人の中で一番へんな人は間違いなくラブワァっ!」っと、絶叫しながらロキは吹っ飛んでいった。
「ははは。面白いリアクション芸だな。それは新技か?」ラブが乾いた笑いをする。
ヘコヘコと歩きながら戻ってきたロキは、いったい自分に何が起こったのか理解するのに時間がかかった。
「なんか、自動的に吹っ飛びました」目を丸くしながらロキがこぼす。
「んー、誰かから狙撃されたんじゃない? よくあることだよ」
ラブが、ショッキングな発言を当たり前のように言うので、ロキは大いに戸惑う。
「いやいや、命を狙われる身に覚えなんてないですよ」
「そりゃ、牛だって豚だって野菜だって命を狙われる身に覚えなんてないだろ」
自分が大変な目にあったというのに、何でこの人は涼しい顔をしてるんだろうと、ロキは怒りに近い感情を覚えた。
「はっはっは。雑魚が!」
ロキの目の前に、もはや大砲と呼んでもさしつかえのないような巨大な銃を抱えた大男が立ちふさがった。
「あんたか! よくもひどいことしてくれたな」ロキは、怒りの矛先がちょうどいい具合に現れてくれたので、あらん限りにぶつけてしまったが、言ったあとに相手の姿をよく確認して少しだけ、いや、だいぶ後悔した。
「こんなところで無防備にうろうろしてるのが悪いんだ。雑魚め」大男はつばを飛ばしながら、挑発的に笑った。
「ラブさん、こいつなんとかしてやってください」
思わず、反射的にラブに助けを求めたが、ラブは自分に振られたことにびっくりしている。
「え? なんで?」
「なんでって、こいつ、僕のこと撃ったんですよ! ひどいじゃないですか!」
「あぁ、ひどいなぁ」
「じゃ、敵を討ってくださいよ」ロキは、あまりにも自分に共感してくれないラブにつめよる。
「やだよ。面倒くさい」ラブは、短くなったタバコを勢いよく吸い込むと煙をゆっくりと吐き出した。
「面倒とかじゃないですよ! こいつ、悪いやつじゃないですか?」
「え? 知り合い?」ラブが驚いて聞いた。
「知り合いじゃないですよ。でも悪いでしょ。僕のこと撃ったんですよ?」
「うん、まぁ、良くはないかな。でも、痛みに対して報復なんてしても意味はないぞ。痛みに対して一番効果的な対処法は許すことだよ」
ラブの言っていることは、多分正しいのかもしれない。でもそれは、自分が痛みを受けてないから言える、第三者の意見だ。
実際にやられたロキとしては腹の虫やらエヘン虫やらが騒ぎ始めて収まらない。
「雑魚が、こんな不細工なもの作りやがって」
「あー、ほら! すごいひどいこと言ってる!」
「あはは。本当に不細工だもんなー。一本とられたな」ラブはケラケラと笑う。
その姿が、いままで色々世話を焼いてくれた恩などを忘れさせるのに十分だった。
「もういいですよっ!」ロキは、捨て台詞をはいてくるっと振り向いた。
「まぁ、待てよ。銃で撃たれたのは可哀想だけど、しょうがないじゃないか。いちいち腹を立てるなんて無駄なカロリーを消費するぞ。嫌だったら、撃たれないように気をつければいいだけだ。気をつけなかったお前に、文句を言う権利なんてないよ」ラブは、もっともらしいことを言うが、そんなことでロキの怒りは収まるはずはなく、むしろ同情をしてくれずに自分が悪いと言われたことに腹が立った。
「はっはっは! 雑魚め。お前みたいなやつは、もうやめちまえっ!」大男がそう叫んだかと思うと、ラブの手元が小さく光り、大男の顔に火柱が立った。
「やめろなんていうのは、ちょっと言いすぎじゃないかな」ラブは笑ってはいたが、その瞳の奥に真剣な光りがあることをロキは見た。
「うるせいっ! 雑魚」大男が、かまわずに大声を上げる。
「人を攻撃するだけあって、きちんとシールドは張ってあるようだね。ロキ、危ないからその辺に座ってなさい」ラブの声は、静かだが、強い威圧感を持っていて、ロキは黙ってその場に座った。
「人を傷つけるのは良くない。しかし、それでもやるというならルールを守った上でならいいだろう。しかし、どんなやつでも、他人に対してやめろなどという権利はないよ」
銃は持っていないようだが、ラブは何かの武器を構えているようだった。
「黙れっ! 雑魚がいちいちうるせーんだよ」冷静になってみると、この大男は、なんと語彙の少ない人間だろうか。ロキは、こんな人間に対してむきになってしまった自分が少し恥ずかしくもあった。
「そういう、負けん気の強いところは、お母さん似だな」ラブは、今までとは打って変わった暖かく柔らかい笑みを浮かべた。
「え? ……まさか、あんたは!」大男の動きが止まる。
ラブは、ゆっくりと顔を上げると、優しい微笑を見せた。
「……大きくなったな。ゲロビッチ」
「ひょ、ひょっとして……父さん!?」大男が震える手を広げ、歩み寄る。
なに、この展開? と、ロキはポッカーンと口をあけて見守った。
「なわけあるかー! 誰だ、ゲロビッチって!」大男が、怒りに任せて銃を地面に叩きつけた。
「チッ。もうちょっとだったのに」ラブは、本気で悔しがってる。
目の前で展開されるショートコントに、ロキはどう反応していいのかわからなかった。
「もういい。お前も死ね!」そういうと、大男の巨大な銃が火を吹いた。
ラブの身体を炎が包む。しかし、ラブは全く気にしていない。
「無駄だよ」
「うぜー。シールドか!」大男は傍目から見ても大分いらついているようだった。
「人の痛みを知るのは難しいだろう、でもちょっと位はお仕置きが必要だ」ラブは冷たく言い放った。
大男は、短いうなり声を上げると、全身を痙攣させたあと、しばらくして煙のように消えてしまった。
すべてが終わったことを確認すると、ロキはラブに近づいた。
「あの、ありがとうございました」少し照れながら頭を下げる。
「ん? なにが?」ラブは不思議そうな顔で答える。
「いや、あの、なんでもないです」
「うん」そういうと、何事もなかったかのようにラブは新しいタバコに火をつけた。
「でも、大丈夫ですか? 息子さん」ロキは、笑いながら聞く。
「あんな息子を持った覚えなどない! 大体、どう見てもアレは俺より年上じゃないか」険しい顔をしていたが、タバコを吸い込むと、ラブはぷっと吹き出した。
煙が辺りに溶けていく。
いろいろな事がおこるけど、その一つ一つのことが自分に対して新しい感覚を与えてくれることにロキは満足していた。
「ゲロビッチ……。恐ろしいやつだった」
「いや、そんな名前じゃないでしょ」
hiya.Loveでおま。
Lokiでおま。
今回は、攻撃とか、そういうことについてお話します。
なんか、いきなり撃たれました。
そういうことも、結構あるので一応注意した方がいいね。まず、SLには大まかに二つのエリアにわけられます。
へー。なんでしょ?
MatureとPGと言われる分け方だね。Matureは成人向け、要するに大人向けです。PGはParental Guidanceの略ですが、親の指導の下みたいな意味です。ようするに一定のルールがあるところですね。
成人向けってことはエロですか?
エロももちろんあります。基本的にPGでは、ポルノ表現とかは禁止されてますが、現時点でMatureでは規制はありません。また、銃で撃ったりなどの暴力行為などもMatureでは、当事者同士以外のルールはありません。PGでは大体禁止です。
僕はMatureだったから知らない人に撃たれたんだ。
そうだね。Matureだから、撃ってもいいということでもないけど、撃ったからといって特に罰があるわけでもないから、そういう人はいるよ。
銃で撃たれても死なないんだね。
SLにはライフ設定がある場所もあり、そういう場所では死にます。死んだらホームポジションに戻るだけだから特に損失はないけどちょっとむかつくね。
ライフ設定がなければ、別に死なないのか。でもふっとんだよ?
ふっとぶのはプッシュという設定がOKになっている場所だね。こういうところではプッシュ属性の攻撃を受けるとふっとびます。プッシュ攻撃を防ぐ一番簡単な方法は座ることです。
あ、だから座って見てろって言ったのか。
オブジェクトでも地面でもいいので、座ればある程度のプッシュ攻撃は防げます。
ということは、座っても防げない攻撃もあるわけだ。
うん。シールドと言われるものの、一般的なのは、座るという状況を自動的に作ってくれるオブジェクトやスクリプトのことを言うんだ。でも、それでも効く攻撃というのはあるから万能ではないね。
じゃ、万能なのは?
ないよ。対策が練られて、新しい方法が作られると、それを破る攻撃が開発されると言うイタチごっこになるので。完璧なシステムはないよ。
そうかー、技術はそうやって切磋琢磨されるんだね。
そう。辰巳琢郎される。
琢しかあってない。四字熟語じゃないし。ところで、最後にやったわけのわからない攻撃って何なの?
実は詳しく言うべきではないのかもしれないけど、知っておくだけは知っておいたほうがいいかもしれない。あれは、SLにおけるシステムに組み込まれた攻撃ではなく、それ以上の裏技なんだけど、相手に大量のテクスチャを一気に送り込むという攻撃です。
え? そんなのが?
そんなのと言っても、これは凶悪です。テクスチャが送られてくると相手は自動的に読み込んでしまうんだけど、それが大量だと処理が重くなって、結局SLがプレイできなくなるSPAM攻撃です。
うわー、陰湿だね。
うん。まだ、銃で撃ったりとかの方が可愛く思えるでしょ? これは当然、やった方がハラスメントで訴えられることがありますので、やらないように。
やったくせに。
そして、言葉の攻撃というもののも、当然SLでは認められていません。下手するとアカウント剥奪という事態にもなりうるので十分気をつけるように。
攻撃なんてしない方がいいということですね。
でも、戦闘がOKという場所もあるんだ。そういう場所ではFPSのように、他人と対戦したりして遊ぶと言う要素があるから、一概に攻撃は悪とは言い切れないね。でも、無関係な人に対して度を越した攻撃をするのは、ネット上とか、そういうもの無しでも常識でアウツだよね。
あなたから常識と言う言葉が聞ける日が来るとは思わなかったよ。
銃で撃たれたからと言って、言葉で攻撃したら、今度はこっちがハラスメントで訴えられるという事態にもなりかねないから、自分の行動には責任を持って十分注意すること。
気をつけないといけないなぁ。
嫌がらせを受けたら、基本的には無視。それでも続くようならオフィシャルに報告を入れればいいよ。
特に理由がないなら場所を変えたりするのも手だね。
Sand boxは、銃のテストなどをする人もいるからMatureになってる場合が多いんだ。それで調子に乗っちゃった人もいるかもしれないら、嫌だったら逃げましょう。
逃げたら負けだって意地はらないほうがいいね。大人の対応で!
あと、許すと言うことも大切だよ。SLには色々な国から色々な人がやってくるから、自分の価値観を押し付けたりしないで、違う人は違う人として寛容に振舞いましょう。
相手を認めることがコミュニケーションの一歩だからね。
そういうこと。みんなでコミュニケーションの五十歩百歩を楽しみましょう。
うん。全然意味わからない。
マグスル second life セカンドライフの遊び方マガジン
magsl 2007/01/07









